「冬瓜」-冬瓜盅-

夏が近づくと瓜類が旬を迎えます。冬瓜は沖縄産が4月末から出荷され始め、次第に北上して8月まで出回ります。白瓜、はぐら瓜も4,5月に店頭に並び、金糸瓜は5,6月、はやと瓜はもう少し遅く7月頃ですが、胡瓜は一年中出回っているため季節感が感じられなくなってしまいました。旬を重んじる日本料理に対して中国料理には季節感がないように思われがちですが、どこの国でも季節の材料を使用するのは当たり前のこと、中国料理でも冬瓜は夏料理に欠かせない野菜です。

日本料理で冬瓜と言えば、緑色の鮮やかさやサッパリとした味わいを活かして調理されたものが思い出されます。すがすがしい色合いの冬瓜は清涼感を与えていかにも夏料理にふさわしい風情を演出しますが、中国料理ではあまり見た目にこだわらず、冬瓜に旨味をじっくり染み込ませて調理されます。また淡白な味の冬瓜はさまざまな料理に応用できるので、中国料理ではスープ、煮物、蒸し物、葛引き、蒸し焼きなど、料理の種類も多く、中でも「冬瓜盅」は代表的な料理といってよいでしょう。

「盅」には「さかずき」の意味があり、「冬瓜盅」とは冬瓜を器にした料理のことです。その作り方は冬瓜の上部を切り取って中のワタを除き、この中に具材とスープを注いで冬瓜ごと蒸し上げ、食べるときには内側の果肉をスプーンでえぐり取って碗に盛り、中のスープを具材ごと注ぎ入れてお客様に配ります。冬瓜は上等なスープが染みて柔らかく、さっぱりした中に深い滋味があって夏の中国料理らしい味わいを持ち、広東では夜来香(イエライシャン)の花のつぼみを散らして、いかにも南国という風情を演出します。「冬瓜盅」以外にも椰子の実を器にした広東料理の「椰子炖鶏盅」、メロンを器にした湖南料理の「香瓜八宝鶏盅」などが有名ですが、これら「盅」の字の付く料理は西太后が愛した「西瓜盅」という料理がもとになったものです。

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