No.46 ナズナ ―萕菜包子―

ここで「ナズナ饅頭」(萕菜包子)の作り方をお教えしておきましょう。
1)ナズナは根ごと引き抜いて泥をよく洗い流し、さっとボイルして水に取り、よく水気を絞っておく。
2)このナズナを細かく刻み、新竹の子と戻した干し椎茸のみじん切りをナズナの半分量加える。
3)ここに、塩、醤油、オイスターソース、胡椒、ラードを加えて混ぜ合わせ、饅頭の餡を作る。
4)小麦粉にドライイーストを加えて水で練り、発酵すれば砂糖、ラード、ベーキングパウダー、ごく少量のカンスイを加えて練り合わせ、生地を作る。
5)生地を分割してナズナ餡を包み、5センチ程度の饅頭に整えて蒸籠で8分蒸す

「ナズナ饅頭」は野菜だけで作っているのにも係わらず、まるで肉が入っているような美味しさがあり、サッパリとして芳醇、飽きのこない味わいは確かに蘇軾の言葉通りと言ってよいでしょう。また饅頭生地が難しければ同じ具材でワンタンや水餃子、春巻きなどを作ることもできます。

我が家の子供たちがまだ小さかった頃、1月になると皆でナズナを摘みに出かけ、「ナズナ饅頭」を作ってよく食べたものです。子供たちにナズナを教えるとてんでんに摘みに行き、戻ってきては「これはナズナ?タンポポ?」と聞きに来たものです。また家に帰って「ナズナ饅頭」を作ると「おいしいおいしい」といって喜んで食べていましたが、その子供たちも皆成人して、どこぞのレストランの料理がどうだったなどと生意気な事を言うようになりました。最近はナズナを摘みに行こうと言っても誰も行くとは言いませんし、ナズナ饅頭が食べたいとも言いませんが、美食だけではなく素朴さの中に品格のあるナズナの味わいも思い出してもらいたいものです。きっとそんな時が来るとは思いますが、今のところ我が家ではただ一人、私だけの「清供」になっています。

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